【インタビュー】黒沢清監督が語る、黒沢流・恐怖演出と映画『Chime』での挑戦
いえ、特に何も話しませんでした。向こうも色々と聞きたかったかと思いますが、僕が何も言わないから聞いてこなかったし、聞かれたとしても僕がうまく答えられなかったと思います。ただ、吉岡さんとは以前から何度か組んでいましたし、他の方の作品も観ておりましたので不安はありませんでした。彼は切羽詰まったがけっぷちにいるキャラクターを演じると絶品ですよね。「この人は危ない、瀬戸際にまで行っている」というギリギリな感じを実に上手く出して下さるので、後は何をやっていただいても大丈夫だと思っていました。ご本人は全然そういう方じゃないので、不思議ですよね。
――本日は貴重なお話の数々、ありがとうございます。黒沢監督は『蛇の道』『Chime』『Cloud クラウド』で「自分の“好き”を追求させてもらった」とお話しされていましたが、今後の創作欲について、最後に教えて下さい。
映画はやっぱり奥が深くて、まだまだ撮れていない・やりたいものが山のようにあります。ここ最近は暴力的な作品が続きましたが、そうではないものもやりたいですね。特に自分は、たった一つのテーマをずっと追い続けるタイプの監督ではありませんから。