くらし情報『【インタビュー】黒沢清監督が語る、黒沢流・恐怖演出と映画『Chime』での挑戦』

【インタビュー】黒沢清監督が語る、黒沢流・恐怖演出と映画『Chime』での挑戦

雰囲気はまさにぴったりだったのですが、意外と車が通っていて車止めが大変でした(笑)。

実際の場所を撮るときは、イチかバチかだと感じます。こっちは東京郊外の何でもない住宅地のつもりですが、にぎやかだと感じるか田舎と感じるか、これぞ東京と感じるかは観る方に委ねられていて、意図通りに伝わるかはわかりません。しかしそこが映画表現の危なっかしいところであり、面白いところでもあります。僕はアニメーションをやったことがないため滅多なことは言えませんが、アニメで「なんでもない町」を描くとなったら大変だと思います。でも実写だと、案外なんとかなってしまうんです。まだ中野あたりだと、誰が観ても大体同じイメージになりますが、国立辺りは観客次第でどうとでも見えてしまう。そうした雰囲気が、「本当に何でもないところにこんな人がいてこんなことが起こったんです」というこの映画にとってはプラスに働いてくれたようにも感じます。


――黒沢監督はこれまでにも映画祭などでご自身の作品をお客さんがご覧になる瞬間を目撃してきたかと思いますが、「どういう反応をするか」は未だに“怖い”ものなのでしょうか。

それはもう怖いです。どんな形にせよ喜んでくれたらそれに越したことはありませんが、経験を積んでいくなかで必要以上に考えないようになりました。

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