火事だ! 賃貸部屋で隣の部屋から火が出たらどうなる?
え? と驚かれる人も多いのですが、Aさんの場合も、隣人の火事の原因は不明でした。隣人はエアコンから火花が飛んだと主張するものの、現場検証ではテレビの後ろのコンセントが原因かも、と指摘されたそうです。
このように火災の原因とは、『これ一つだけだ!』と特定することが難しいのです。
日本の建築物や住宅、生活のあり方として、木造家屋が密集している、路地が狭い、マンションやアパートなど建物そのものに何らかの問題があるかもしれない、電気製品、ガスコンロは本当に安全なのかなど、失火や類焼の原因が住人だけにあるとは限らない、という考えに基づいています。
ただし、放火や、住人に重大な過失がある場合は責任を問われ、損害賠償をする義務があります(後述)」
■隣の家から火が出ても自分で弁償する!?
では、Aさんの被害の弁償はどうなったのでしょうか。
「隣人は重過失ではないと認定され、失火法によってAさんに対しての賠償責任は発生しませんでしたが、Aさんは、家主に対しては『原状回復の義務』と言って、退去するときに元の状態に戻すという義務があります。よって、Aさんは自分で家主に対して弁償をしないとならないわけです。