火事だ! 賃貸部屋で隣の部屋から火が出たらどうなる?
その結果、Aさんの部屋の修繕と家財道具の損傷の補償は、Aさんが賃貸の契約をしたときに同時に加入していた火災保険でまかなわれました。火災保険による『失火見舞い費用』も支払われましたが、結局は自分が加入している保険で全部対処した、ということになります。
このように、一見、火元と思われる人もまた、被害者であったというケースや、被害者なのに自分で部屋の修繕をしないとならないというケースがあるのです」(穂積さん)
「Aさんの事例は非常によくあること」と穂積さんは、賃貸契約の際に、必ず火災保険=『借家人賠償責任保険(特約)』に入るよう、勧めます。
「賃貸住宅の契約のときに、『引っ越し費用でお金がないし、火事など出さないから火災保険は入りません』という人もいます。ですが、Aさんは、『もし火災保険に入っていなければ自分はどうなっていたのだろう……』と真っ青な表情で語っていました。
また、火災保険は火事ばかりではなく、特約で、水漏れを起こしてしまった場合などの補償があることや、例え隣人が保険に加入していなかった場合でも、自分が加入していれば補償されることも知っておきましょう。
掛け金は部屋の広さなどによりますが、2年契約で15,000円~25,000円です」