小説家・今村昌弘のデビューにして、国内主要ミステリー賞を総なめにし、「このミステリーがすごい! 2018年度版」など4冠を達成した『屍人荘の殺人』が映画化され、現在公開中だ。大学のミステリー愛好会に所属する自称ホームズとワトソンの明智恭介(中村倫也) と葉村譲(神木隆之介)が、2人の前に現れた剣崎比留子(浜辺美波)という謎の美人女子大生探偵に誘われ、ロックフェス研究会の合宿で連続殺人に巻き込まれていく。
読んだ人が自然と口をつぐみ、ネタバレがあまり出回らない同作の映像化は大きな驚きをもって迎えられたが、映画が完成すると綾辻行人、有栖川有栖ら作家陣も絶賛。今回は同作の主役を務める神木隆之介にインタビューし、作品の面白さについて話を聞いた。
○■「普通のミステリーと思ってもらっては困る」
――この作品はミステリーですしネタバレ厳禁だと思いますが、その制約の中で面白さを伝えるとしたら、どんな点だと思いますか?
原作者の今村さんのお言葉を借りるなら、「イレギュラーさ」です。ミステリーの王道でもあるクローズド・サークル(「吹雪の山荘」「嵐の孤島」など、外界とのつながりを絶たれた状態)があって、さらに、どういう状況になったらパニックになるのか……。