女の節目~人生の選択 (3) vol.3「初めての、恋」【4歳】
に気づかされる場所でもある。生まれが違う、育ちが違う、家庭環境次第で性格や倫理観も違う。もっと言えば、親の経済力によって金銭感覚が、学歴や職歴によって向学心が、その他、人生におけるさまざまな価値観が、すでにして決定的に違うのだ。
運転手つきの黒塗りのクルマで送り迎えされているご令嬢もいたし、幹線道路を一人で渡って雨漏りのするボロ屋へ帰る私のような園児もいた。親が「お受験」させるために遠方から越境してくる子もいたが、女の子はいい学校へ行くと嫁の貰い手がなくなる、とのたまう父兄もいた。我が子には有害な食材を与えないと徹底する親もいて、私が園庭の蛇口から水を飲んだら白い眼で見られたこともある。小さな「違い」が積み重なると反発が起きる。そもそもなぜ、私たちはここにいるのだろうか。
ただ年齢が同じで家が近所だったというだけで、一緒に狭い空間に閉じ込められ、つねに比較されながら『幼馴染』と呼ばれるなんて、たまったもんじゃないぜ……その後の学校生活でもさんざん味わう羽目になる、あの感情が最初に芽生えたのも、幼稚園でのことだった。
しかし一方で、級友たちとの間に「違い」があって初めて、私は自分自身の「欲望」