くらし情報『ソロシネマ宅配便 第5回 仲里依紗が魅せる2010年代最強のアイドル映画『時をかける少女』』

2020年4月24日 10:00

ソロシネマ宅配便 第5回 仲里依紗が魅せる2010年代最強のアイドル映画『時をかける少女』

と知り合い、ともに深町一夫を探すことになる。まずこの1974年(昭和49年)という時代設定が絶妙だ。

男たちはハイライトのタバコをひっきりなしに吸い、ラジオから『神田川』が流れ、屋台のおでん屋に座れば吉田拓郎の歌が聴こえてくる。まだ畳の風呂なしアパートが当たり前で、何日かに1度の贅沢、銭湯の入浴料「大人75円、中人30円、小人15円、婦人洗髪料30円」の張り紙とか昭和の背景再現が懐かしい。本編とは全然関係ないが、長嶋茂雄が現役引退したのも74年の出来事だ。

まだ若い自分の母親や父親に会うという、タイムトラベル作品のお約束もしっかり抑えつつ、不意にノスタルジーだけでなく「オイルショックのあおりを食らって実家の工場が傾いた」なんてシリアスさもぶっこんでくるから油断できない。いい感じに古びた定食屋で、あかりが涼太に自分が未来人であることを証明するために、「これが2010年の技術よ」なんつってかざす携帯電話が思いっきりガラケーなのも、今見ると二重の時間軸で楽しめるだろう。

そして、なにより公開当時20歳の仲里依紗が完璧だ。
冒頭の鮮やかな疾走シーンから、銭湯で見かけたカップルに「リアル神田川~」

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