くらし情報『山田孝之、働き方の転機「年2本がベスト」俳優を目指す人と後輩のために』

2020年7月17日 10:30

山田孝之、働き方の転機「年2本がベスト」俳優を目指す人と後輩のために

――1カ月ほどの撮影で、飯塚健監督は山田さんを見て「すごくしんどそうだった」と。

めちゃくちゃしんどかったです。亡くなった妻のことをずっと思い続けているので……でも、実際に僕の中にその思い出はない。健一が奥さんと出会ってから付き合ってた期間、子どもが生まれてから奥さんが亡くなるまでの期間の思い出は、すべて自分で考えて補填しないといけない。それをずっと1カ月間やり続けているので、精神的にはかなりきつかったですね。

自分の中で「創り上げる」ということも大変なんですが、その上で気持ちをそこに持っていき、維持し続けなければならない。しかも、その気持ちは、とてもつらい感情です。いてほしい、でもいない。
自分がこんなにつらい時に、何でいてくれないんだ。でも、本当に生きていたかったのは彼女の方。娘と関係がうまくいかなくなって、悩み事も自分に話さず友達に話して……なんなんだよ。でも、奥さんはそんなことを思うことすらできなかった。妻は本当にかわいそうだ……ずっとそういうことを思いながら。

――ちなみにご自身の中での死生観に影響はありましたか?

僕も知り合いや親族で亡くなっている方はいるので……ただ、妻が亡くなることとはまた違いますよね。

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