2015年1月15日 09:30
『ヤマト』などのSF作品から宇宙を志した宇宙飛行士・山崎直子が説くSF・アニメの想像力、そして実際に体験した宇宙の"生活"
人が宇宙へどんどん進出して、再生医療が進んで病気が治り、機能を補うだけでなく強化された身体が造られ、コンピュータやロボットやITの技術も進んで……と、想像力が掻き立てられます。
○宇宙は"普通"に生活できる場所
――現実の宇宙は、SFとはどのように違うものなのでしょうか?
小さい頃に宇宙へ行くというと、それこそイスカンダルのような遠い所へ行くことを考えていましたが、今人間が行き来しているのは地上約400kmにある国際宇宙ステーションで、まだまだ地上にへばりついているような状態です。そこに行き来するにも大変という、現実の厳しさがあります。でも、そうして行った宇宙は案外"普通"に生活できる場所でした。長い間訓練をして行くので特別なところだというイメージがありましたが、宇宙食でご飯を食べて、お風呂には入れないけれどタオルで身体を拭いて、歯磨きをして、夜は寝て、日中は起きて仕事をして……と。人は宇宙でも、生活をすればそこが日常生活になるんですよね。もちろん、壁一枚隔てれば真空の宇宙という危機感は、地上の安心感とは比べものになりませんけど
最長滞在記録を持っているのはロシアで(※ワレリー・ポリャコフ宇宙飛行士。