メリル・ストリープ、女優業の原動力は「人への好奇心」- 歌への愛も語る
――今回の魔女は、表面的な美を求めますが、メリルさんは人間の美しさとはどういうものだと思いますか?
本作の魔女は、自分のための美しさではなく、美しくなれば娘がもっと愛してくれるんではないかと、外見上の美しさだけを求める。これが間違っているわけで、実際には美しさを取り戻しても娘は戻ってこないわけです。
この若さと美しさは、私たちが執着を持っている文化。顔を整形したり、美しければ愛されるという勘違いがあるけれども、本当に美しいのは行動であって私たちがやること、行為。もちろん、美しさは憧れられる部分かもしれないけど、愛される部分はやはり、やること、その人のなすことね。
――本作を見て観客には何を感じてもらいたいですか?
これは頭脳が駆使されたミュージカルよ。ソンドハイムとラパインの作品だけに、知性が光っています。ビジュアル的に楽しく、心理的に満足できるものになっているけれど、それと同時に、アーティストである私たちを惹きつけ、自分の持っているすべてを注ぎ込みたいと思わせる特別な要素をたずさえている。
音楽的には、とてもチャレンジングでスリリングだから、私がこの映画の観客に望むことは、そう、スリルとチャレンジを感じてほしいということね。