周防正行監督が描く夢の舞妓エンタテインメント - 『舞妓はレディ』、Blu-ray/DVDが3月18日リリース
それはたぶん、1、2年取材したぐらいでわかるような世界じゃない。ちゃんと身銭を切って、20年、30年かけて、あの街に出入りして、それでようやくわかるものじゃないかと思いました。僕自身、お酒も飲まないし。もちろん、お酒を飲まなくてもお茶屋遊びをしている人はたくさんいます。でも、僕自身はどうしても掴めない。勘違いでも何でもいいから掴めればよかったんですけど。そうこうしているうちに、また別に考えていたサラリーマンが主人公の作品、社交ダンスに出会ってしまった。こちらはすぐに、これだっていうものが見つかって、一気に『Shall we ダンス?』に傾いちゃいました」
●上白石萌音との出会い
――監督の中では、それでいったん、舞妓さんの話は頭から外れてしまったわけですね
周防監督「いったん外れていました。
やはり、コレというものが掴めなかったので。で、『Shall we ダンス?』が終わった後、あらためて考え直したとき、初めてミュージカルという枠組みを思いついたのですが、それとは別に、僕を取材以外で祇園に誘ってくれる人が現れて、お茶屋さんの中に知り合いがいっぱいできたんですよ。今回の映画で、富司(純子)