2015年3月28日 16:00
結婚したあなたへ~白河桃子の「ラブトレンド白河総研」 (24) 『お兄ちゃん、ガチャ』に見る、消費されるイケメン・ネタ化する男らしさ
先日の「ケンさん」風のニヒルで無口なイケメンは主人公の家族全員に高評化だったのですが、しゃべったとたん、声が妙に甲高い。容姿、性格、雰囲気、すべてがイケていたのに「声がイヤー」という妹の一言であっさり消去でした。
反発する人もいるでしょうが、脚本は野島伸司なので、決して子どもだましでは終わりません。週刊朝日のドラマ評では「どうかしている」「問題作」と評されていました。深夜ドラマらしい毒が甘いお菓子の中に潜んでいる。女子たちの無邪気な残酷さ、消費されるイケメンたちのはかなさ。イケメンですらあっさり消費されてしまうのですから、そうでない男性たちはいったいどうすればいいのか? そんな救いのなさが毒としてじわじわ効いてくる……そんなドラマです。
○女性たちが男性を残酷にジャッジする理由
なぜ小学生のうちから、こんなに女性たちは男性への残酷なジャッジを行えるのか? それは、子どもを持ったとたん、女性は自立できるだけのお金を稼げなくなる社会の仕組みにあります。
まともに働く場所がなければ、男性に頼って生きていかなくてはいけない。他人に生殺与奪の権利を握られてしまう。これもある意味残酷なことでしょう。