綾野剛×舘ひろし、刺激を受ける相手の「歳は関係ない」それぞれの生き抜き方とは
寄り添ってくれる仲間はいたけれど、でもこいつらと10年20年とこうしていられるのかといったら、できないことも分かっている。何を目的に生きればいいのか全く見えていなかったところに親父と出会った。自分が存在をしていいと認められて、親父に一生を捧げようと生き始めたんです。
舘:柴咲にとっては家族ですね。柴咲組という家族。後半、病室で「こいつら、ヤクザ辞めたら何ができるんだ」という言葉も、刑期を終えてきた山本に「ヤクザを辞めろ」と言うのも、家族だから。映画全体を通じて、家族の在り方というのが貫かれていると思います。
――柴咲自身は、妻や子といった家族を持っていませんね。
舘:柴咲にとっては、たとえば女房は、北村有起哉さん演じる若頭だった。藤井監督は、柴咲には私的な家族はいらないと思ったのだと思います。ヤクザという疑似家族を本当の家族にしたかったのだと。
○■「綾野くんには刺激をもらった」(舘)
――本編でおふたりは親子の契りを結びました。共演を通じて感じたお互いへの印象は?
綾野:これまで色んな方々と共演してきましたが、舘さんのような人は出会ったことがないです。
舘:ははは。
綾野:優しい人やステキな人はたくさんいます。