2015年7月31日 14:39
25歳のあなたへ。これからの貯"金"講座 (15) エイズは、助かる。私たちの税金が正しく使われさえすれば
と言います。國井さんは国際協力の経験が豊富な医師です。
私が見学した病院で治療を受けていたエイズ患者の人々にも、投資の影響が及んでいるのでしょう。たまたま出会った患者が若い女性だったので、健康に暮らせれば、私たちと同じように、子育てや仕事をしながら普通に生きていけるんだろう、と思いました。
○税金の使い方で守れる命がある
日本政府は、この「グローバルファンド」に毎年100~300億円を出してきました。三大感染症で亡くなる人は年間300万人。これまで810万人のHIV感染者に抗レトロウイルス治療を提供し、結核やマラリアの予防や治療にも大きな成果を上げてきました。
100億とか300億と聞いても、ピンとこないかもしれません。
例えば、世論の反発を招いた新国立競技場と比較してみると分かりやすいと思います。当初1300億円で作る予定が、その後2520億円に跳ね上がりました。その差は1200億円。
世論の反対が大きく白紙に戻ったものの、こういう金額を税金で払うことを認めようという議論さえあったことを思えば、数百万人の命がかかったプロジェクトにしては、100億円とか300億円というのは小さな金額ではないか、と私は思いました。