くらし情報『抱きしめてヴィーナス - 探査機「あかつき」、金星への帰還 (6) 中村正人プロマネに聞く(4) - かくして再挑戦できる軌道は見つかった』

2015年12月10日 15:00

抱きしめてヴィーナス - 探査機「あかつき」、金星への帰還 (6) 中村正人プロマネに聞く(4) - かくして再挑戦できる軌道は見つかった

惑星大気とプラズマ物理学が専門。

金星探査機「あかつき」では、計画の立ち上げから先頭に立ち、プロジェクト・マネージャとして開発から運用、5年前の失敗事故への対応、再挑戦に向けた計画策定を率いてきた。

○姿勢制御用のスラスターで軌道に入れよう

--その後、セラミック・スラスターは推力が出せないことがわかり、姿勢制御用のスラスター(RCS)[*13]で金星周回軌道に入れるということになりました。この案はどういう経緯で出てきたものなのでしょうか。

中村: 言い出したのは稲谷さん[*14]でした。しれっ、として言うから、最初は「何言ってるんだ」と思いましたが、今になってみると彼が正しかったですね。理学の人間には思いもつかなかったです。

でもよく考えてみると、RCSで軌道を変えることに使うというのは、天文衛星を打ち上げたときにやっていたんですね。
「あかつき」は軌道投入用のエンジン(セラミック・スラスター)と姿勢制御用のエンジン(RCS)を別にもっていますが、たとえばX線天文衛星「すざく」では、RCSで打ち上げ後の軌道修正を行っています。だからRCSを使って軌道の制御もするというのは、そんなに不思議なことではないんですね。

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