2016年1月24日 08:00
育児と介護の「ダブルケア」に取り組むコンサルタントに夫婦のあり方を問う
「『イクメン』提唱者が語る今の"なんちゃってイクメン"に必要なこと」と題した前編では、国内外のワークライフバランス先進企業を研究してきたダイバーシティ・コンサルタントの渥美由喜さんに、育児に取り組む際の夫婦のあり方について聞いた。後編となる今回は、育児をしながら、認知症を患う父親の介護を行っている渥美さんに、引き続き「ダブルケアに取り組むときの夫婦のあり方」について語ってもらった。
○育児からのキャリアアップとしての「介護」を
――渥美さんは、育児をしながらお父さまの介護にも取り組まれています。最もつらかったのはどんなことですか? そしてどのように乗り越えていらっしゃいますか?
父が統合失調症を発症したときは、自分に対して罵詈(ばり)雑言を浴びせてきて、尊敬して大好きな父が壊れていくのがつらかったです。そして、報われないのもつらかったですね。自分なりに一生懸命やっていることが評価されないつらさもあります。
育児と介護を急にいっぺんに両立するというのは大変だけど、先に育児を経験していたから乗り越えられたと思います。ライフのキャリアアップと呼んでいるんですけど。
自分が親におむつを取り換えてもらっていたというのを、育児によって逆側の立場で追体験していれば、おやじの排せつ介助だってできるんですよ。