くらし情報『さよなら、「フィーレイ」 - 史上初の彗星着陸に挑んだ小さな探査機の物語 (2) フィーレイは舞い降りた』

2016年2月23日 14:00

さよなら、「フィーレイ」 - 史上初の彗星着陸に挑んだ小さな探査機の物語 (2) フィーレイは舞い降りた

この時点で、地球とチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星の距離は約5億kmも離れている。一方、電波が飛ぶスピードは1秒間に約30万kmであるため、通信のやり取りには片道で30分ほど掛かってしまう。

ロゼッタから切り離されたフィーレイは、ゆっくりとした速度で彗星に向けて降りていった。このときの様子を、ロゼッタに搭載されているカメラが撮影しており、そこには少しずつ回転しながら遠ざかっていくフィーレイの姿がしっかりと写っていた。

○64時間の奮闘

フィーレイは約7時間をかけて彗星に向けて降下し、11月13日0時33分に彗星表面に脚が触れた。その約30分後、そのことを示す信号が地球に届いた。その瞬間、管制室では喝采が起き、その様子はインターネットの生中継を通じて世界中に配信された。

しかし、その後データを詳しく分析したところ、事は思い通りに運ばなかったことがわかった。
まずフィーレイは0時33分に確かに彗星に着陸していた。しかしスラスターはやはり噴射されず、銛も、作動させるための火薬が不発だったのか、発射されなかったことで固定されず、着陸の反動で跳ね上がり、計3回バウンドしたのち、4回目の接地でようやく落ち着いたのだった。

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