「一部の男性にとってことごとく有利な社会」 - 働く、育てるがつらい理由
ジェーン・スー: 今の社会は「男社会」というよりは、「一部の男性にとってことごとく有利な社会」でしかない。実は、(男は稼いで養うべきという)今のシステムからこぼれ落ちてしまう男性たちと、私たちは仲良くしていかないと、社会システムは絶対に変わらない。
田中: 「男は稼いで養う」というのが上の句で、下の句は「女は早く家庭に入り専業主婦として子どもを育てたほうが幸せになれる」となってしまっている。女性がそれを男性に期待することが、本当は自分の生き方もワンパターンにはめてしまうということなんですよね。男性にしても、女性は家庭に入って子どもをうんだほうがいいんじゃないのと言い放った途端に、40年間フルタイムで働くということになってしまう。
ジェーン・スー: 多様性を認めるということが今一番大事で、働きまくってもOK、そんなに働かなくてもOK、それは性別ではなくて「私」が決めるということですよね。
○「男は働き、女は家を守る」という概念にとらわれてはいないか
トークセッションの最後に投げかけられた参加者からの「育児」の質問に、田中さんは以下のように答えた。
田中: 僕は去年結婚して、生後2カ月の子どもがいます。