2016年6月4日 12:00
テレビ屋の声 - 第6回 日本テレビ古立善之氏、『イッテQ』『夜ふかし』『しやがれ』…共通するのは「ストーリーを大事にすること」
「ドキュメントバラエティ」というジャンルも初めてだったし、編集的に初めての技法もいっぱいあったし。だから知らない子がヒッチハイクをして、片言の英語で道を聞くというだけで面白かった。しかしその後、後を追う番組が続出してドキュバラが当たり前のジャンルになりました。そこから『イッテQ』が一番進化していると思うのは、視聴者が見飽きてしまったであろう要素を全部捨てているんです。
――捨てている。具体的には?
例えば、オーロラを見に行くロケで、現地のガイドに出会って「私、日本からオーロラを見に来たんですけど、見られますか?」と会話を始める。そういう段取りは、昔のドキュメントバラエティでは流れていたんですけど、そんなことは誰が見ても分かることなので、『イッテQ』では出会いのシーンが無いときもあるし、少なくとも「私、日本からオーロラを見に来たんですけど、見れますか?」というセリフは絶対流れないです。だから、タレントが海外に1週間行っているのに(VTRの)尺がいかないんです。
場合によっては内村さんに5日も6日も海外に行ってもらって、25分とか超贅沢にやらせてもらってます。
――確かに! そこで「もったいない」