2016年8月4日 10:30
日本映画界の暗部と現役助監督の本音 - 「一生続けたくない」仕事に生きる2人の男
カメラマン、照明、録音、美術、俳優、そして演出。昔であれば、そこから監督になる流れがありました。今では雇われなくなったことでその流れが変わり、われわれは"町場"の人間となりました。"町場"の人間が監督になるためには……プロデューサーとかなり密な関係になるしかないんじゃないですかね。どうですか?
加藤:「この人の下についていれば、いずれ監督になれる」みたいな、エスカレーター方式の道筋がこの業界にはなくなってしまいましたよね。監督と助監督の間にある壁は、果てしなく高く分厚い(笑)。それでも、俳優さんや芸人さんがいきなり監督をやられたりするので、本当に頭打ちなんです。若い子はどんどん辞めていってしまって、このままだと逆三角形型のような業界になりかねない。
監督になるのは、本当に難しい時代だと思います。
僕は今37歳なんですが、40歳までに監督になれなかったら、実家に帰ろうと思っていたんです。そういう誓いを立てたのは……一生助監督なんて続けたくないから(笑)。ハリウッドには、助監督を専業としている人はいます。でも、そうはなりたくない……。僕だけじゃなくて、みなさんそういう思いはあると思います。