くらし情報『純愛映画の逆を行く『ナラタージュ』 観客に「傷ついてほしい」行定勲監督の思い』

純愛映画の逆を行く『ナラタージュ』 観客に「傷ついてほしい」行定勲監督の思い

とは言っていましたね。でも大学生くらいから上なら、全然大丈夫だと思います。きっと高校生も観ると思うけど、高校生には、傷ついてほしいな。

僕がずっと企画書に書いていたのは「こんなのだったら、恋なんてするんじゃなかった」というコピーだったんです。そういう経験がある人間の方が、男と女の関わり合いにおいて、長年男と女でいられると思います。

――「高校生に傷ついてほしい」というのも素敵なコピーですね。

傷つくと免疫になりますからね。僕も子供の時にいっぱい観た映画、全然わかっていなかったんですよ。
大人になっていくと、アート映画に見えていた作品が全然違って見えて、あの頃は感情が追いついてなかったんだと思います。ミケランジェロ・アントニオーニもさっぱりわからなかったけど、大人になって観ると、人間が持つ業が描かれていて全てが素晴らしい。――松本さんのファンもそうやって傷つけられてしまうような作品に。

でも逆に、望んでいるかもしれないですよね。「松本潤に傷つけてほしい」って。それがエンタテイメントだと思うんですよ。

最近は不倫にしても、人のことを叩いて「酷い」と非難ばかりしているけど、自分も正しいことばかりやっているわけではないですからね。

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