北野武監督の崖っぷちと『アウトレイジ』3部作の真実 - オフィス北野社長・森昌行P、同志の告白【短期連載 暴走の黒幕】
この作品であればなにゆえに勝算ありかというビジネススキームが、今のプロデューサーには当然求められますから。だから、保険をかける意味で原作ものが増えていると思うんですよね。ただ、うちはオリジナルで勝負しています。一からプレゼンしないといけないわけですから、それなりの説得力がないといけない。そういう意味においては私が提案したものは比較的同意の得やすい、短く説明して同意が得られるものです。そういう流れの中でものを作らざるを得ないわけです。
――白竜さんがジャパンプレミアの舞台挨拶で感極まっていらっしゃるのが印象的で。監督から「北野組やってよかったね」と言われたことへの感謝の気持ちが滲み出ていました。
そうですね。「アウトレイジ」シリーズを経て、『ソナチネ』とは違う色がつきました。『アウトレイジ』のキャスティングにおいて、かつて『ソナチネ』や『BROTHER』に出演した寺島進の名前が出たこともありました。私が監督にお願いしたのは、「寺島を出すのであれば、反目で出してください」と。たけしさんと相対する勢力に置くのであれば、それは新しいかもしれない。でも、たけしさん側だったら『BROTHER』に勝てない。