北野武監督の崖っぷちと『アウトレイジ』3部作の真実 - オフィス北野社長・森昌行P、同志の告白【短期連載 暴走の黒幕】
あそこで映画は終わった。ただ、私が申し上げたのは、「大友の死体は映ってませんよ」と(笑)。
――たしかにそうですね。見事に騙されてしまいました(笑)。
大友が生きていたというスタートでも、十分成り立つんじゃないか。それで考えて貰えるのであれば、良い方向に行くはず。
きっと監督も思うところがあったんでしょう。「それはそれでありだね」と、わりとすんなり受け入れてくださった。
そして、DVDの発売前に『アウトレイジ2』の制作決定情報をリリースしました。一種ヒット感の醸成ですね。するとDVDの売り上げに火がつき、なおかつ『アウトレイジ ビヨンド』にまでその影響力が及んで、『アウトレイジ』を超えるヒットになりました。それこそ、”ビヨンド”したわけです。監督の中では「第3作も」となるわけですが、そこは踏みとどまって貰いました。
――舵取りが細かいですね。
シリーズ物の一種の宿命で、3作目は落ちるんじゃないかと。ただ何となく続けていけば、人々の関心はどんどん離れていく。
そうではなくて、違う方向に一旦振った方がよろしいのでは伝えました。監督からは、いろいろ提案があったのですが。
かつてたけしさんがWEBだけで公開した『ヤクザ名球会』という短編小説があって、それをベースに『龍三と七人の子分たち』(15)