北野武監督の崖っぷちと『アウトレイジ』3部作の真実 - オフィス北野社長・森昌行P、同志の告白【短期連載 暴走の黒幕】
が生まれました。同じヤクザ映画でも「新」「旧」の話で、半グレの若造と元ヤクザの老人が戦う。そちらをやったらどうでしょうと監督にお話して納得して貰いました。
でも、監督としてはそれを終えると、やっぱり「アウトレイジ」に決着をつけたいと。私は『ビヨンド』で終わっても全然問題なかった。ものすごい余韻を残した終わり方ですよね。いろいろな想像をかき立てる、北野映画らしい終わり方でした。
でも、監督は大友のその後を描いて「けじめ」をつけたくなった。
一種の終止符を打つという意味での「最終章」だったわけです。そうして「アウトレイジ」は、結果的に3部作のシリーズになりました。それは監督にとって都合の悪い話ではなくて、あくまでプロデューサー的な視点があってご提案申し上げたこと。監督はそれを受け入れてくださった。お互いウソをついたわけではなく、このような事情をそんなに多くの言葉を交わさず理解し合って、監督は監督の解釈をされて制作に入りました。
○オリジナルで勝負する気概
――まずは監督からのアイデアがあって、それに対してプロデューサーの立場から意見する。これまでの北野映画はそうやって作られてきたんですか?
できれば監督がおっしゃるものをすべて叶えたいんですが、ビジネス行為である以上、ビジネスパートナーたちの同意を得ることが重要です。