北野武監督の崖っぷちと『アウトレイジ』3部作の真実 - オフィス北野社長・森昌行P、同志の告白【短期連載 暴走の黒幕】
だからこそ、エンターテイメント作品を撮るのは必然。絶対にヒットさせなければならなかったんです。
もう1つつけ加えると、『アウトレイジ』はもともと3部作として構成されたものではもちろんないわけで。1作で終わる予定でした。ところが、『アウトレイジ』を公開してそれまでの3作よりは客が入ったんですが、観客動員数は『BROTHER』(01)と同じぐらいの80万人ぐらいで100万人に届かなかった。ということは、リクープメントが難しいということ。興行が終わって数字を見た瞬間に、「なんとかしないと本当に監督業が続行できなくなってしまう」という危機感があったので、『アウトレイジ』のDVDを発売する直前に監督に「2作目作りませんか?」と提案しました。これを聞いた監督は、大ヒットしたおかげだと当然思いますよね。
――これは書いても大丈夫ですか(笑)?
大丈夫です(笑)。これは、プロデューサーとしての発言ですから。監督を騙したわけじゃなくて、興行成績の話なので。つまり、スマッシュヒットには違いないんです。決して失敗したわけではないので。
1作しか作るつもりはなかったので、大友は最後に刺されるわけですよ。