くらし情報『北野武を"異業種"時代から支える美術・磯田典宏、『アウトレイジ』に至る引き算の歴史』

2017年10月27日 10:30

北野武を"異業種"時代から支える美術・磯田典宏、『アウトレイジ』に至る引き算の歴史

あの長いテーブルと細長い部屋で会長の権力を象徴的に見せたかったんです。

●"引き算"の許可が必要だった『BROTHER』
――北野監督はどのタイミングで現場を確認されるんですか?

事前に監督と製作部が話し合って、各担当はその監督イメージをもとに候補案を上げます。監督抜きのメインスタッフで話し合ってから、ロケハンに。大豪邸で芝居に使えそうなのがどこなのか。美術のアイデアを固めたら、監督抜きで撮影や照明も含めて見に行って、最終的には「A案、B案のどちらか」みたいに絞り込み、それから監督とのロケハン。監督には私が用意したイメージスケッチを片手に現場に立ってもらいます。一連の流れは結構時間をかけてますね。披露宴会場だけを見せるわけにもいかないですから。
イメージスケッチを元にそこで監督のやりたい芝居も何となく見えてきます。

これまでの14本の中で印象的だったのは『アキレスと亀』(08)。監督自身が描いた絵を全部使ってあるんですよ。少年期から年代ごとに3つの画廊が出てくるんですが、監督からは「各時代の違いを出したい」というお話があって、全部任せてくださいました。各時代に合った絵の額縁を業者さんに相談して、監督からもその都度リクエストが出て。

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