くらし情報『なぜ松雪泰子は舞台上で輝き増すのか? ネリー・アルカンに捧げる「自分の中にある闇」【第2回 役者の岐路】』

2017年11月1日 10:00

なぜ松雪泰子は舞台上で輝き増すのか? ネリー・アルカンに捧げる「自分の中にある闇」【第2回 役者の岐路】

舞台では、日々違うものが生まれています。

――計算できないところも魅力だと。

その日によって生み出されるエネルギー、テンション、質。すべてが違います。「こういうのを試してみよう」みたいに新しいアイデアも加わると、さらに変化して面白くなる。昨日までとは違うものが目の前に現れると、「さて、これをどうやってキャッチしようか」と。半間や一間の違いのレベルでみんな稽古を重ねているので、その瞬間、瞬間が勝負です。一拍ずらしてきたということはこっちの方がいいかなとか、そういう「生」のセッションの中で相手の呼吸を感じながら演じるのは演劇ならではです。
予測がつかない場面に遭遇すると、すごく盛り上がります。

――よく聞かれると思うのですが、映画やドラマとの決定的な違いはそこですか?

綿密に積み上げて稽古していって、しっかりと全員で共有して、クオリティをコントロールするのが演劇は可能です。映像の場合だと、そのシーンによっての「瞬発力の表現」が重要になりますし、監督の世界観の中で俳優は表現します。そこからのプラスアルファは俳優の感性によるものだと思いますが、映像は監督のもの。演劇の場合、幕が開いて本番がはじまったら、俳優たちの手にゆだねる領域になるというか。

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