2017年11月18日 12:29
自分と感覚が違う人を排除しない…脚本家・西田征史が、丸山隆平の”寂しさ”に託した監督作『泥棒役者』
自分が演出するときはもうちょっと先まで粘れるというか、脚本上にない要素も自分が役者に伝えればいいので、煮詰めていくペース配分は若干違うのかもしれないですね。
――脚本を書く際に、どのようなことを意識されているんでしょうか?
僕は割と構造が好きで、2時間で勝負する時は、ワンアイディアで作っていくことが多いです。例えば『泥棒役者』は、泥棒という本来ネガティブな要素しか持たない存在が周りに思わぬ作用をもたらしていくという構造を考えて物語を作っていきました。映画化ではさらに、挫折や後悔などのテーマも乗せています。
――構造を意識しているからこそ、自身で演出や監督をしたいという思いもありますか。
やっぱりちょっとしたつながりなどの、こだわりを100%生かせる点はありますね。『泥棒役者』のラストも、もしかしたら人によってはああいうカットにしないかもしれない。脚本上で表現しているものを100%入れられるのが、自分で監督をする時に感じる幸せの一つなので、数年に1回やれたらなとは考えています。
もちろん、脚本だけの時のメリットもあって、自分では想像し得なかったところにカッコ良さがあったり、感動が強まったりはあります。