2014年5月20日 10:00
『テルマエ・ロマエ』作者ヤマザキマリさんが語る、とらわれない生き方とは? (1) 好きなことと、生きていくための仕事は分けて考える
事務局で事務職をやったことがありますが、最終的には語学学校を立ち上げることになりました。事務職もやったことはないし、学校を運営するなんて事も初めてでしたが、とにかく携わる事にはワクワクしたかった。だから自分もそこに教師として教えに行ってました。経験に自分の知っている事を知りたがっている人に教えて上げる充足感のような行為にも、それなりの喜びがあると言う事を知りました。それからイタリア語を教える先生を探しに行って、そこで「イタリア映画の夕べ」を企画する、「イタリアワイン会」をやる。さらにそこから広がっていって、いろんなイタリア関係のイベントを仕切れるようになりました。皆も喜んでくれますが、わたしも一緒に楽しくなれる。それに、そうやって行動しないと、自分が責任者としている意味がない気がしたんです。
せっかく十何年もイタリアに行って、イタリア語ができて、イタリアの食文化などが分かってるのに、それを学びたい、知りたい、という人がいるなら有効利用しないのはもったいない…。
たとえお金のため、生きて行くために選んだ職業にしても、携わっている限り、心地悪いのが嫌なのかもしれない。自分が正しいと思っていることは主張したいし、もし文句を言ってくる人がいても、それはそれでいいんです。