白竜、北野武監督と島田紳助さんに導かれた俳優業「逃げ道作っていた」
普通の映画監督はそういうことやりません。たけしさんは、「せっかくみんな集まってるから、やっちゃおう」みたいな考えなんです。
たけしさんの映画は、歩くシーンがすごく多いでしょ? ヨーロッパあたりではそれが主流らしくて。「尺が短くて歩くシーンを増やしちゃった」とか冗談をおっしゃっていましたけど(笑)、きっとそこも監督ならではのこだわりなんだと思います。
たけしさんが言うには、『血と骨』(04)。あれに出演されて以降、監督をする際少しだけカットを粘るようになったそうです。監督にとっては、崔洋一さんの丁寧な撮り方がきっと参考になったんでしょうね。『ビヨンド』や『最終章』でもそういうことを感じる場面がありました。
丁寧というか、より深みが増したというか。カメラワークまで指示されているので、きっと脚本を書く時に自動的に頭の中で映像化されているんだと思います。だからその脚本に対して、「俺はこうやりたい」というような役者さんはきっと苦手なんじゃないですかね(笑)。
僕らは、「駒」なんです。監督はその「駒」を扱う人。キャスティングによって、自分は「歩」や「飛車」になります。いろんな監督がいると思いますが、たけしさんの場合はそんな感じです。