chay、観客が母一人の不遇時代とSMAP「君は君だよ」の支え
とにかく、「どうやったら聴いてもらえるか」ばかりを考えていました。とにかく、悔しくて悔しくて……。デビュー前の反骨心は異常でしたね(笑)。「絶対にデビューする!」といつも言い聞かせていました。
――続けていくうちに一人、また一人と増えて。ただ立ち止まってくれるだけの人でもめちゃくちゃ愛おしくなりそうですね。
そうなんです。路上ライブに来てくださっていた方は、今でもすぐに分かります。
ライブ会場でも「あっ! 来てくださったんだ!」って(笑)。一番最初に足を止めてくれた方の顔は今でもしっかり覚えています。サラリーマン風の方で……40代ぐらいだったかな? その時は、自分の曲も歌っていたんですが、足を止めてもらうためにカバーも歌っていました。夜になると、酔っぱらいの方に絡まれることもあって(笑)。いきなり求められた歌でも必死に応えていました。それでも足を止めてくれたことがとってもうれしくて。
――音楽塾ヴォイスもかなり厳しかったそうですね。絢香さん、家入レオさんなどを輩出した名門塾です。
ものすごくスパルタでした。ギターをはじめたすぐの人にとっては、「こんなフレーズ弾けるわけない」と言いたくなるくらいの課題を突きつけられて。