2019年11月15日 10:00
Gameloft副総裁が残金250円に…“無理ゲー”すぎる映画化を踏破した男
●映画は「エベレストを登るよりも大変」
難易度が高すぎてクリア困難なゲームを「無理ゲー」というが、ユー・フェイ氏が役所広司主演の日中合作映画『オーバー・エベレスト 陰謀の氷壁』(原題:『Wings Over Everest』)(11月15日公開)で監督デビューを飾るまでの経緯は、まさに「無理ゲー」といえるだろう。
本作に専念するためにゲーム会社大手・Gameloft社の中国グローバル副総裁を辞した後、製作費が底をついたために株を売却。それでも足りず、別荘を売り、ついには自宅まで……。銀行口座には250円しかなく、サラダすら買えなかった日もあったという。
エベレスト完登経験もあるユー・フェイ監督が、「エベレストを登るよりも大変だった」と語る本作。彼はなぜ、人生の全てを捧げることができたのか。インタビュー連載の第10回「オリジナル映画の担い手たち」は、ユー・フェイ氏の「無理ゲーすぎる第2の人生」に迫る。
○■ゲームと映画の違いは「ドラマの扱い方」
――あんな動きの役所広司さんを観たのは初めてです。
以前からファンだったそうですね。
役所さんのことは、以前から存じ上げていました。最初に観たのは『失楽園』、その後に『うなぎ』や『Shall we ダンス?』など。