国土交通省がまとめた、『平成20年度マンション総合調査』(http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/torikumi/tenpu/so-03.pdf)によると、過去1年間のトラブルの発生状況は、「居住者間の行為、マナーをめぐるもの」が63.4%と最も多く、そのなかでも「生活音」(37.1%)が1位ということが判明しています。
トラブルナンバー1は、つまり「騒音」だったのです。
そこで、「快適で安全な女性の一人暮らし」をテーマに活躍する不動産アドバイザー・穂積啓子氏に、詳しいお話を伺いました。
■子どもの生活音が裁判で敗訴
――統計では「騒音」トラブルが1位とのことですが、管理の現場ではどうなのでしょうか。
穂積さん:「騒音」に関する相談は日々、寄せられます。
最近の裁判の例として、2012年3月15日に東京地裁で、「上の部屋に住む男児が跳びはねてうるさい」として、階下の夫婦が騒音の差し止めなどを求めた訴訟がありました。
裁判では、「我慢の限度を超えている」として、男児の父親に一定以上の騒音を出さないよう、また、夫婦が求めた慰謝料計60万円のほか、妻が頭痛で通院した治療費や騒音測定の費用も請求通り支払うように命じる判決を言い渡しています。