ポール神田の世界は英語でつながっている! (6) TOEICと秋入学で日本は変わるのか?
ナイジェリア、カンボジアこれを見る限りでも、G8の国で9月始まりでないのは日本だけなのである。
これは、入学や卒業だけでなく社会に出るタイミングが主要国からズレているという見方もできる。
本来、日本も9月が新学期だった時期があったのだ。
1872年(明治5年)から1920年(大正9年)の48年間だ。
4月入学になった原因は、国の予算会計年度と一致させたためであり、陸軍の徴兵が9月から4月へと早くなったことにも起因する。
さらに、その大元である日本の会計年度は、農業国家であった日本の稲刈りの繁忙時期をはずしたことなどの影響を受けていた(笑)。すでに稲刈りも徴兵もないのだから、いつ9月に戻しても問題はないはずだ。
むしろ、問題は、100年近くも4月始まりで育ってきたこの日本の文化だ。
もはや、誰も日本人の9月始まりを経験していない。
桜が咲くころに3学期が始まるのはピンとこないかもしれないが、これはもう慣れしかない。
小学校、中学校、高等学校、大学、企業、役人、国家試験すべてが4月入学体制で動いてきた。
一気に国家主導で行うのか、個別に行うのか?東大をはじめ、一流大学が変われば、受け皿となる官僚の国家試験や企業も変わるだろう。