山田隆道の幸せになれる結婚 (12) 中学時代の同級生と結婚! 「純愛野郎」の真実とは?
なるほど。
僕は一気に腑に落ちた。
結婚相手が中学の同級生だからといって、必ずしも20年にも及ぶ恋愛を経ているわけではない。
少し考えればわかりそうなことである。
しかし、それでも運命的な出会いであることには変わりない。
同窓会で再会した学友と恋に落ちる。
そこだけ切り取れば、まるで昼ドラのようだ。
実際、彼は件(くだん)の同窓会のとき、昔と比べて見違えるほど綺麗になっていた現在の奥様に一瞬にして目を奪われ、以降は同窓会そっちのけで、彼女のことを口説きにかかったという。
同窓会特有の高揚感も手伝って、ほとんど合コン状態だったとか。
しかも、彼の頭の中にはしたたかな計算もあった。
それは彼女を口説くために必死で考えた、同窓会でしか使えない次の台詞を駆使したことである。
「今だから言えるけど、実は昔好きだったんだよ」この台詞の最大の長所は、非常に言いやすいことだ。誰だって女性に「好きだ」とはっきり告白するのは抵抗があるかもしれないが、「昔好きだった」という台詞なら冗談交じりに言えたりする。
そもそも、これはなるべく軽いノリで打ち明けるのがポイントだ。
ちなみに、本当は好きではなかったとしても問題ない。