これは不器用に生きる、あなた自身のラブストーリー…映画『生きてるだけで、愛。』
もはや男と女とも言えない危うさをはらんだ……でもエンドレスに続きそうな不思議な関係に、ある日変化が訪れます。
■強烈キャラの痛いお姉さん登場
それは寧子の前に、津奈木の元カノ・安堂(仲 里依紗)が現れたこと。津奈木に未練がある安堂は、寧子と別れさせて彼を取り戻すべく、寧子の社会復帰と自立を手助けしようとするのです。
寧子は外の世界と関わらざるを得なくなり、安堂の紹介で半ば強制的にカフェバーでのバイトをスタートすることに。
この安堂のキャラクターがまた強烈で。パッと見、仕事がデキるきれいなお姉さん風なのですが、ヨリを戻すためにとにかく必死。
自分は正しいと思い込み、人の話を聞かずに突っ走る様はあまりにも痛々しく、これまた「身近にいそう」もしくは「いつぞやの私?」という気持ちにさせられます。
彼女は他人の心の痛みに鈍感で、自分の痛みには敏感な人。
だから上から目線で相手が傷つくようなことをまくしたてますが、自分が同じ目に遭うことは許せません。
安堂=他人の心の痛みに鈍感で、自分の痛みには敏感。
寧子=自分だけでなく、他人の気持ちにも敏感。
津奈木=鈍感なふりをして心を閉ざし、人に対して肯定も否定もしない。