くらし情報『泣き顔と真冬のスプリングコート』

泣き顔と真冬のスプリングコート

わたしにできることはなかったけれど、この場所が、わたしの憧れのすべてだった。

声には出さず「ありがとうございました」と一礼して、泣きながら電車に乗った。派手なピンクのスプリングコートと、真冬と、泣き顔。どれも最高にチグハグで、やっぱりわたしはおしゃれではないなとつくづく思った。

あれから4年とちょっと。クローゼットを開けると、観月ありさは未だにパリッと美しい。

今日もわたしは、着たい洋服を着て、書きたいものを書いている。
やっぱり天気はちっともわたしに関係がない。
雨が降ろうと、風が吹こうと、自分の空を晴らす術は知っているからだ。

暑い日だって、凍える日だって、その日着たい洋服を着る。わたしの天気を決める神様は、いつの日も、わたしなのだ。

関連記事
新着くらしまとめ
もっと見る
記事配信社一覧
facebook
Facebook
Instagram
Instagram
X
X
YouTube
YouTube
漫画家・脚本家募集LPバナー 上へ戻る
エキサイトのおすすめサービス

Copyright © 1997-2024 Excite Japan Co., LTD. All Rights Reserved.