サントリー美術館「六本木開館10周年記念展 フランス宮廷の磁器 セーヴル、創造の300年」が11月22日から開催
セーヴルの「18世紀」「19世紀」「アール・ヌーヴォーとアール・デコ」「1960年代~現在」の4章で構成
セーヴルが協力芸術家として史上初めて受け入れた外国人は、日本の彫刻家・沼田一雅(1873~1954)でした。現在も日本の著名な芸術家・デザイナーたちとのコラボレーションは続いています。本展ではセーヴルと日本の交流についても作品を通じてご紹介します。創立から現在まで、常に時代の先端であり続ける「磁器芸術」セーヴルの姿を堪能できます。
第1章 18世紀のセーヴル ---王の磁器---
16世紀にポルトガルが、次いで17世紀にオランダがヨーロッパにもたらした中国磁器は、王侯貴族の間で大流行し、ヨーロッパ各地で中国磁器製作の秘術が探求されました。その結果まず完成したのが、16世紀イタリアのメディチ磁器をはじめ各地で製作された軟質磁器です。
セーヴル磁器製作所の前身であるヴァンセンヌ製作所は、1740年、パリ東端に位置するヴァンセンヌの城の塔内で、軟質磁器の製作所として設立されました。ルイ15世の庇護の下、1756年に規模を拡大してパリ西端のセーヴルに新築・移転、王立セーヴル磁器製作所となりました。やがて、中国磁器のようにカオリンを用いた硬質磁器がヨーロッパでも製作できるようになりました。