サントリー美術館「六本木開館10周年記念展 フランス宮廷の磁器 セーヴル、創造の300年」が11月22日から開催
パーヴェル・ペトロヴィチのティーセット 1772-73 年ⓒRMN-Grand Palais (Sèvres, Cité de la céramique) /Droits réservés / distributed by AMF ※無断転載禁止
第2章 19世紀のセーヴル ---ブロンニャールと製作所の成功---
フランス革命(1789~99)に端を発した大きな政治的混乱にもかかわらず、セーヴルは国有の製作所として存続しました。
1800年から1847年まで所長を務めたアレクサンドル・ブロンニャール(1770~1847)は、19世紀の製作所を黄金期に導きました。鉱山技術者であると同時に鉱物学、地質学、動物学の研究者でもあった博識なブロンニャールの業績は、大きく4つに分けられます。第一に、鳥類学・植物学・地形測量学など広範な分野の知見を加えて、形や装飾を一新したこと。
第二に、教育・技術双方に資するフランス初の陶磁とガラス専門の美術館を1824年に設立・公開したこと。
第三に、画期的な製造技術を導入したこと。最後に、ステンドグラスや銅胎七宝など、磁器以外の火を用いる芸術分野にも挑んだことです。