岡田将生「人と人とのバランスを楽しみながら、自分を知っていく」――自分らしさのヒント
演じている役に影響されて、自身の言動が変わることはありますか?と尋ねてみた。
すこし考えて、あまりない、と答える。
そして彼は、一度はずした視線をまっすぐに戻しながら、言う。
「でも、思っていることをはっきり言うことは、すごく大切だと感じました。
日本人はなかなか言えないタイプの人が多いけれど、伊藤の思考は海外に近いと思えば、すごく納得できる。無駄なストッパーがないのは、素敵なことですよね。
僕は、すごくストッパーがある。本当は、なんでも言えたらいいなとは思いますけど」
しかし、さまざまな言葉や思いを自分のなかに溜めているからこそ、どんな芝居にも奥行きが生まれているというのは、考えすぎだろうか?
そう思わせるくらい、彼の演じる役はいつも色とりどりの感情をまとわせて、そこに“存在”している。
自分と向き合い、人と関わりながら、光を増していく
俳優として、すでにキャリアは充分。
代表作といえるドラマや映画をいくつも持ち、等身大の役からアクの強い役まで、さらりとやってのける。
正統派の二枚目なのにちゃんと人間くさくて、ヘタレでも愛されるキャラクターを演じるのは、いまや岡田将生の独壇場ではないだろうか。