映画『29歳問題』キーレン・パン監督インタビュー。幸せになるためのいくつかの事柄について。
■映画『29歳問題』あらすじーキャリアなクリスティーと夢見がちなティンロ。香港を舞台に交差するふたりの生き方
2005年、香港。
化粧品会社に勤めるクリスティは、あと1カ月で30歳を迎えようとしています。
容姿端麗で尊敬する敏腕社長のもと仕事にもやりがいを感じ、長年付き合っている恋人や友人たちもいて、公私ともに順風万風のつもりでした。
しかし実のところ、晴れて部長に昇進したもののプレッシャーでストレスが多く、彼氏のチーホウともすれ違いばかりで口論となってしまいます。
実家の父親に認知症の症状が出始めたのも気がかりでした。
しかも、住み慣れたアパートの部屋が家主によって売却され、退去を言い渡されてしまいます。
困り果てたクリスティは、とりあえず1カ月間、大家に紹介されたティンロという女性の部屋に間借りすることに。
ティンロがパリ旅行に行っている間だけ彼女の部屋に住むことになったのです。
ビデオメッセージで迎えてくれたティンロの姿は、底抜けに明るく笑顔で天真爛漫。
大ファンであるレスリー・チャンが出演した映画『日没のパリ』の影響から、エッフェル塔をかたどった壁一面のポラロイド写真や、女の子らしい小物でいっぱいのティンロの部屋で、クリスティは彼女の自叙伝風の日記を見つけます。