映画『29歳問題』キーレン・パン監督インタビュー。幸せになるためのいくつかの事柄について。
これらの演出について教えてください。
この映画のテーマは、”人物の成長や思い出”という部分が描かれているわけです。実際この映画の中で人物の成長に伴って登場する香港の映画や音楽は、私自身が香港で生まれ育ったときの状況と似ているんですよね。皆さんがよく知っている香港の流行文化の中で代表的なのは、レスリー・チャンやBEYOND、ミルクティーや古いスタイルのレコード店など香港人にとってとても懐かしいものたち。現在、香港はどんどん新しく変わっていっています。
私は、この映画を語るときに当時の流行を取り入れてこういうものが昔はあったのね、というところを描きたかった。あと、もうひとつ共感について考えました。映画を観る人たちがみんな知っているような音楽などを取り入れることで、瞬時に共感を得ることができる効果があるんです。
でもただ懐かしいからこの映画を観にくるのではなく、映画で一番大切なのは物語とテーマだと思っています。
ーー映画の中でティンロは、レスリー・チャンの『日没のパリ』の影響でパリのエッフェル塔へ行きますが、映画『29歳問題』を観る人たちへ香港のおすすめスポットがあれば教えてください。
現在、香港はどんどん変わっていってます。