「今の時代に能楽は絶対に必要」観るのは“舞台”ではなく、“自分の人生”だ
その方は上演中ずっとラフを描いたりしているそうなんです。曰く、「能楽堂に来るとどんどんアイデアが浮かんでくる」そうで。それを言われたとき、僕はすごく嬉しかったんです。
ボーっと音を聞き、能を観ながら、浮かんでくるアイデアって、何にも代えがたかったりします。そういう贅沢な時間を過ごすのも良いのではないかと。
まずは能楽堂の空間を楽しむことが大事
──なるほど。まずは能楽堂での時間の過ごし方を知るわけですね。ステップ3では何をすればいいのでしょうか?
ステップ3が一番大事です。
まず予習をしてきてください。そして舞台が始まったら、その中に自分の人生を投影してみましょう。
物語に出てくる登場人物の立場になったとき、自分だったらどう考えて、どう行動するのか。正義が対立する話であれば、善と悪とは何なのか。そこまで考えたら、観ることがもっともっと楽しくなります。
可能であれば、謡(台詞)の意味まで理解してみると、詠まれた歌の情景まで想像を広げることができるし、自分の身近な世界や記憶とつなげていくこともできる。そうなると、もっといろいろな曲を観たくなっていくと思います。
──演目の予習は学びたくなってからで良いということでしょうか?
最初からステップ3に行かなくても良いんです。