世界的パティシエ・辻口博啓氏の創作の過程を描くドキュメンタリー映画『LE CHOCOLAT DE H』
その味はまさに“米のリキュール”。みりんの持つ甘みは、カカオとどうマッチするのでしょうか。
そして最後に出会ったのが「米粉」です。スイーツをひとりでも多くの人に楽しんでほしい。辻口氏のそんな思いに共鳴した老舗の製粉会社・群馬製粉は、およそ10年前に辻口氏とグルテンフリーの米粉を共同開発しました。その米粉を特殊加工して焙煎し、米の持つ香ばしさを100%引き出したスフレは、ショコラと相性抜群です。
◼︎故郷・能登半島への愛
辻口氏が18歳まで過ごした故郷・能登半島に広がる「能登の里山里海」は、2011年に日本で初めて『世界農業遺産』に認定された地。日本の原風景ともいえる美しい風景の中で、自然と調和した 農業や人々の営みが受け継がれています。
故郷をこよなく愛する辻口氏は、能登の「揚浜式塩田」を訪れます。海水を汲み上げ、砂に撒き、集めた砂にさらに海水を注いで塩分濃度を高めた水を作り、大釜で炊いて塩を作るという手間と時間のかかる製法で、国の重要無形民俗文化財に登録された同手法。
こうして作られた塩を、辻口氏は 2018年の新作ショコラに取り入れる決意をします。