映画『ナポリの隣人』感想。幸せの行方を問いかける味わい深いヒューマンドラマ!
と出会います。
鍵を持たずに出かけ、部屋に入れず困っているミケーラは、最近夫のファビオ(エリオ・ジェルマーノ)とふたりの子どもたちと越してきたばかりでした。
部屋同士がバルコニーで繋がっていることから、ミケーラを自宅に招き入れたロレンツォは、彼女の人懐こい性格と屈託のない笑顔に心を許し、次第に仲を深めていきます。
気難しいところのあるロレンツォでしたが、向いの家に引っ越してきた若い夫婦ファビオとミケーラ、ふたりの子どもたちと親しくなり、お互いの家を行き来し合う疑似家族のような関係になります。
隣家のランチに招かれ、まるで本物のおじいちゃんのように子どもたちと遊び、ミケーラとファビオと楽しく食事をし、実の家族とは得ることがなかった穏やかな時間を過ごすロレンツォ。
子どもの頃の苦い記憶を思い出し、ナポリでの生活の不安を吐露するファビオには「私は隣にいる、ノックすればいい。それがこの町のやり方だよ」と父親のように励ますのでした。
しかし、その平穏な日々は、幸せに見えた一家に起こった思いがけない事件で、突然幕を閉じることになります。
ある日の夜、帰宅したロレンツォはアパートの前におびただしい数のパトカーと救急車が止まっていることに気づきます。