全国屈指の“アツいまち”が主催する恒例のイベントを取材。今年は子どもが参加できるイベントや暑さ対策アイデアも続々と登場しました!
物価高に重なり、電気代の高騰も予想される今年。猛暑予報をため息をつきながら聞いた読者も多いのではないでしょうか。年々厳しくなる「暑さ」への対策を先進的に進めている都市が集うイベントを、今年も取材してきました!
■今年は初めて5都市が一堂に会しての開催に
「アツいまちサミット」は、日本歴代最高気温の記録を持つ5つの都市(熊谷市・四万十市・多治見市・山形市・浜松市)が集い、暑さ対策のアイデアについて議論し、検討を進めているイベントです。5都市は「暑さ先進都市ならではの新しい習慣を作り、幅広い世代の市民たちが誇れるまちづくりにつなげていこう」というコンセプトで連携しています。
ここ数年はオンラインでの中継開催が続いていましたが、11回目を迎える今年は初めて5都市の皆さんが一堂に集結。ちなみに、この移動に要したCO2は「四万十市の森林吸収クレジット」によりオフセットとなる、という報告も。暑さを意識するイベントならではの目線ですね。
イベントは開会宣言、そして熊谷市長のご挨拶からスタート。2022年に「ゼロカーボンシティ熊谷」を宣言し、「2050年CO2実質ゼロ」を目指して、さまざまな事業を推進している熊谷市。今年はクールシェアスポットや街中の温熱環境を配信する
「暑さ対策スマートパッケージ」を開始。公式LINEアプリ「クマぶら」を活用し、市民に対する熱中症対策情報の発信に努めています。
■「熱中症は命に関わる病気…! でも予防できる病気」
続いて、イベントを後援する環境省の熱中症対策室から、永田室長が登壇。環境省では
「熱中症警戒アラート(熱中症警戒情報)」を出していますが、今年からは、特に熱中症リスクの高い日に
「熱中症特別警戒アラート(熱中症特別警戒情報)」を発令することが発表されました。
現在は暑さ対策指数が33(予測値)を超えると熱中症警戒アラートが出されますが、今年からは指数が35を超える日には外出を控えるよう、呼びかけがされるそうです。
「それだけ暑くなっているということ。熱中症は亡くなる病気であることを知ってほしい。一方で予防できる病気でもある」と永田室長。アラートのチェックや見守りや声がけ、エアコンの利用、そして水分・塩分補給の大切さが伝えられました。
■今年は「地域産品や教育・子どもとからめた暑さ対策」がテーマ
一般社団法人アツいまちの中島代表理事より、昨年の活動報告と今年度の方向性が発表されました。
今年のテーマは、日本有数のアツいまちから暑さ対策推進モデルを構築すべく、各地域の資源を使った暑さ対策を進めていくこと。
地球温暖化の対策には、温室効果ガスの排出量を減らす「緩和」と、被害を回避・軽減される「適応」の2軸がありますが、「地域資源を活用した適応を進めていこう」といった提言も。具体的には、にんにくなどの暑さ対策に効くブランド農作物の構築や、体を冷やす効果がある米ナスやその加工品の消費拡大などが紹介されました。
そしてウーマンエキサイトが特に注目したのが、子どもとのコラボレーション。暑さ対策のアイデアを文字やイラストで表現する
「わたしのあつさたいさくコンテスト」が、今年は初の全国規模での開催が決定(※画像は一昨年・昨年分です)。コンテストの詳細は
「あついマチ」のHPで公開されています!
■5都市の暑さ対策を紹介。幼児・小学生向けの楽しいイベントも多数!
【浜松市】地場産業体験イベントをからめた暑さ対策を実施
3年前からあついマチの一員となり、今年初の対面参戦となった浜松市。人口約80万人を誇る政令指定市であり、徳川家康が17年間を暮らした出世の町としても知られます。
同市は昨年、水分補給のPRを兼ねた夏の水遊びイベント「戦国水鉄砲合戦」を実施。特に未就学率・低学年を対象にした回では、当選率5倍以上となる多数の応募が集まり、大成功を収めました。
そして今年は、地域産業体験とのPRコラボとして
「まちなかわくわくアカデミー」を企画。地場産業である染物などを筆頭に地元の企業とコラボしたブースを設け、さまざまな職業体験を提供していくそうです。
今回のサミットでの意見交換を経て「焙煎度合いの違う麦茶の飲み比べワークショップ」の開催や、各コーナーの待ち時間に「ゴクゴクタイムPR」を促す、といったアイデアも生まれたそうで、さらにイベント全体の魅力をアップさせていきたい、とのこと。ちなみに、夏の水分補給に最適な麦茶の販売量ギネス世界No.1を誇る伊藤園「健康ミネラルむぎ茶」の焙煎工場は、静岡県内にあるそうです!
【四万十市】食育とも合わせ、名産品「米ナス」の力で夏を乗り切る!
体を冷やす効果がある「米ナス」の露地栽培の作付面積日本一である高知県・四万十市。
例年、小中学校での給食提供や農業体験、飲食店での連動キャンペーンを通じて暑さ対策を周知をおこなっているほか、PRイベント「ナスフェス」も開催しています。
継続的な活動に加え、今年は
「いろいろアツいぜ!夏の四万十大作戦」をテーマに、学校と連動しながら水分補給の大切さのPRに努めていくとのこと。「ナスフェス」では小中学生向けのコンテストも実施し、麦茶賞・米ナス賞などで表彰することが発表されました。
日本最後の清流とも呼ばれる美しい四万十川を擁する四万十市。実は伊藤園の「健康ミネラルむぎ茶」に使われている海洋深層水は、高知県で採取されているそう。米ナスも麦茶も、体の中から熱を出す働きを持つカリウムなどのミネラルが豊富。「Wミネラルで、暑い夏を乗り切りたい」と意気込みが語られました。
【多治見市】小学生向けの暑さ対策ドリル・検定で「神」を目指せ!
昨年は小学生向けにクエスト形式のイベントを実施した多治見市。
今年はさらに多くの子どもの参加を募るべく、全小学校に「あっつぅドリル」を配布し、検定も実施するそうです。その名も
「やってみよう! あっつぅドリル~めざせ!あつさたいさくの神」。「あっつぅ」は多治見市で「暑い」を表す言葉だそうですが、「あっつぅドリル」では水分補給にまつわる知識や体作り、暑さにまつわる漢字練習などを含める予定だとか。
市内の全ての小学校でドリルを配布し、解答者には検定用紙を配布。検定の提出者全員に麦茶をプレゼントし、「神」の称号を付与。優秀者には優秀者に各小学校での表彰のほか、
「暑さ対策神の中の神」の認定が送られるそうです。参加してくれた子どもたちの顔が見えるよう、商店街のお祭りなどとの連動イベントも企画しているとのこと。自由研究としても取り組める内容のため、多治見市の読者は要チェックです!
【山形市】企業連携や、楽しみながら学べる子供向けイベントを実施
例年、山形大学との取り組みを進めている山形市。今年は
「遊んで!楽しく!水分補給」をテーマに、4つの企画を実施するそうです。
まずはSDGsワークショップの開催。企業に登壇してもらってSDGsの取り組みを紹介し、暑さ対策について学生とのディスカッションを実施します。先日の開催時には、学生からさまざまなアイデアが飛び出し、中には「学校の校内放送で、水分補給のタイミングを都度周知する」というものも。すぐにでも実施できそうな良いアイデアだと感じました。
続いて、8月5日に山形駅前で開催される
「お水ゴクゴクパーク」。意識的に水分を取るのが難しい子どもたちに、ペットボトルを使ったゲームを実施し、必要な水分量を目で見て体感してもらう予定だそうです。そのほか水ヨーヨーづくり、ビー玉、シーグラスすくいなど楽しい内容も。
そのほか、すごろく、かるた、クイズ、謎解きなど「暑さ対策を学ぶゲーム作り」や、市内の涼しさを感じられる飲食店や場所を周知する「クールスポット探索」などもマップ化して市民に発信していくそうです。
【熊谷市】夏祭りでは、打ち水効果を楽しむ「街中をキャンバスに」企画も
サミット開催地である熊谷市の今年のテーマは
「地域資源を活用した挑戦〜暑さ対策日本一の熊谷市へ〜」。市内のクーリングシェルターを拡大し、水分補給の大切さを知らせる「クイズラリー」を実施するなど、今年は特に熱中症のリスクが高い高齢者や子どもに重点的に伝えていくための取り組みを実施する計画だそうです。
市の中心部を流れる星川の緑化を図る「星川グリーンカーテン事業」の説明時には、子どもたちも登場して「メロン、米ナス、きゅうり、スイカの苗を植えた」と可愛らしい報告をしてくれました。
さらに、例年納涼大盆踊り大会と連動して実施してきた「水鉄砲バトル」のイベントをバージョンアップさせ、今年は
「熊谷水かけ祭り」を開催するという発表も。
街中をキャンバスに、水で落とせるクレヨンで道路に子どもたちに絵を描いてもらい、最後にみんなで水をかけて消すことで、涼しさを体感してもらおう、というものです。お絵描きを見守る保護者向けには、足湯ならぬ「足みず」でリラックスしながら、「むぎ茶めんつゆ熊谷うどん弁当」を食べられるコーナーもあるそうです。
駅直結のショッピングモール・アズ熊谷で例年開催されている
「暑さ対策スタンプラリー」のほか、今年はアズ熊谷のLINE公式アカウントを追加するだけで、麦茶1本のプレゼントも(1日200人まで)。
「光る!デコうちわワークショップ」(7月14日開催)、専門講師による
「跳び箱や平均台、キッズダンスの体験会」など、子ども向けのイベントも盛りだくさん。お近くの方は
アズ熊谷のHPを要チェックです!
■ 暑さ対策・水分補給には「健康ミネラルむぎ茶」がおすすめ
そしてイベントの公式スポンサーである伊藤園からは、麦茶殻のアップサイクルなどを含めた、最新のSDGsの取り組みが紹介されました。
伊藤園の
「健康ミネラルむぎ茶」は熊谷市の暑さ対策公式飲料であり、熊谷オリジナルラベルの限定デザインボトルも発売されていますが、今年は使用済みラベルをリサイクルし、新しいラベルとして再生する実証実験事業を実施するそうです。ラベル回収ボックスは市内の量販店や小売店に設置されるそうなので、見かけた方はぜひ投函を!
夏の水分補給に最適な「健康ミネラルむぎ茶」は、カフェインゼロ・無糖・カロリーゼロで、家族全員が安心して飲める飲料。現在は、マイボトルやキャリーバッグなどの“暑さ対策グッズ”が絶対にもらえる
「キンキン! ミネラルゴクゴク! 絶対もらえる! キャンペーン」も開催中です!(8月23日締切)
イベントは「暑さ対策先進都市として、お手本となるような活動をしていくこと」を宣言し、伊藤園「健康ミネラルむぎ茶」で乾杯して閉幕を迎えました。年々進化する暑さ対策先進都市のアイデアや取り組みに学び、元気に夏を乗り切っていきましょう!
(取材・文/外山ゆひら)