熊本県で創業100年余の印刷会社。そこで働く広報さんが大切にする「恩返し」の気持ち
「弊社は県内だけでなく全国1,300以上の学校から請け負う卒業アルバムの印刷が事業の柱です。卒業アルバムって実は1冊1冊に手作業が入っていて職人技が必要な難しい印刷なんですよ。ところが、今では出版不況や職人さんの減少もあり、全国でアルバムを請け負える印刷所はわずか数社しかなくなってしまいました。そんな状況だからこそ、この印刷技術をこれからも残していくためにこそ印刷事業だけに固執するのではなく、地元で100年続くという企業のリソースを生かした新事業にチャレンジしました」
取材中、江河さんの隣には新入社員と大学生も座っていました。彼女たちも江河さんが携わる新事業「就活応縁くまもと」の一環で、同社で働いています。
「彼女たちのように、生まれ育った地元の熊本で働きたいと思っている学生は大勢います。また県内には業績や待遇、将来性も兼ね備えた優良企業もたくさんあります。でも、そのマッチングがうまくいかず、優秀な若い人材が県外に出てしまう、企業は人手不足に陥ってしまうという負のスパイラルがあるのが現状です。新事業ではこの両者の橋渡しをすることで、熊本を盛り上げたい、元気にしたいという想いも込められています」