お揃いとわがまま。親子の関係値が一気に縮まった瞬間【海のはじまり10】
今や、海が学校から帰ってきて第一に駆け寄るのは夏の元。以前は翔平だったはずなのに。何も言わず居間から席を外す翔平の背中が切なすぎて……。
「お父さん言わなかっただけ。寂しいに決まってる。だからしっかりしてよねってこと。意地悪言えば奪うようなものなんだから」と、夏にはっぱをかける祖母・朱音(大竹しのぶ)。
水季さえちゃんと出産を夏に伝えてくれていたら、奪うような展開にはならなかったはずなので、夏が少しかわいそうではありますが。
海の環境を変えるだけでなく、翔平と朱音の環境までも変えてしまうのだと、夏の悩みはいっそう深まると共に、きちんと考えて納得できる答えを出さねばと思い悩むのでした。
■弥生と水季の言葉が夏の向く方向を示してくれた
そんな夏でしたが、弥生と水季の言葉が彼の進む方向性をはっきりと決めてくれました。
「何かを選ぶって、他の何かを妥協するってことだと思うよ。仕事は生活につながるよ。これからの生活には海ちゃんがいる。大事なもの優先するためには必要なことだよ。水季さんも言ってたよ。誰も傷つけない選択はないし、でも自分だけが犠牲になればいいってことでもない」
その言葉で、夏の中で何が一番大切で、守らなきゃいけないのかがはっきりと見え、取捨選択をすべきものが明確になりました。