お揃いとわがまま。親子の関係値が一気に縮まった瞬間【海のはじまり10】
水季の言葉が弥生の人生の道標となり、さらに夏の道までも示してくれたのでした。
■父と母。2人とお揃いの最高の名前になることを決めた海
夏は海にきちんと説明をします。
やっぱり転校をしてほしいこと。したくないのであれば、海に大変な思いをさせるから、安心して生活できる自信がないとまだ一緒には暮らせない、ということ。
丁寧に噛み砕いて理由を説明し、海自身に選んでもらった答えは、転校をして、夏と暮らすことでした。
そして、肝心の名字の問題。「月岡になるのどう思う?」と、プロポーズを思わせるような海への提案。これには驚くほどの即答と断言で「大丈夫!」と宣言した海。
「水季と一緒じゃなくなってもいいの?」という問いに、「名前がママとお揃いだから大丈夫!」と、水と海のさんずいにお揃いの絆を感じていたのでした。
学校や家など、環境の変化を強いられることで、母とのつながりがどんどんと失われていることが不安なのでしょう。母の存在が感じられる名前は、海にとって大切な絆の一つになっていました。
「苗字は家族でお揃いができるんだって!だから海、夏くんと一緒のがいい!」と、父とのお揃い、母とのお揃い、それぞれが入った最高の名前になることを決めた海。