2019年12月5日 08:10
今村夏子の小説『星の子』映画化 - 主演・芦田愛菜にインタビュー「信じる」にどう向き合うのか
ちひろはそれに対して反発するのではなくて、どうしたらいいか分からないなりに考えたり受け止めたりした上で、自分は“こうしたい”と決意していくことができるんです。
周囲の反応によって気持ちは動くけれども、ちひろ自身の意見は持っている、と。
そうですね。両親に対する周りの反応を受け止めていくうちに、両親の見た目や行動といった、外から見えることよりも“中身”の部分をあらためて信じたいと思えるようになったのだと思います。ちひろは両親の愛情を知っているからこそ心では両親と繋がっていて、一瞬突っぱねたくなったりもするけれど、それでもやっぱり大切に思っている。そのことに、徐々に気づいていったのではないかと思うんです。
芦田さんご自身がちひろに共感する部分はありますか?
落ち込んでいるちひろが泣きながら学校の友達に話を聞いてもらうシーンがあるのですが、親に相談できなくてずっと1人で悩んでいたことを心許せる友達になら話せる、というのが思春期ならではのリアルな一コマだなあ、と思って共感しました。
ちひろは友達の前でなら、しがらみが無くありのままでいられるんですよね。
友達は自分のことをわかってくれると信じているし、友達にはわかってほしいと思っているから。